写真下部の0.4[T]の電磁石中では、レーザー、マイクロ波を用いる
「triplet-DNP(光励起三重項電子スピン状態による動的核偏極)」という方法で、
ペンタセンなどの分子を少量ドープしたサンプル中の核スピンの偏極率を数十万倍向上させることができる。
写真上部の11.7[T]の超電導磁石では水素(1H)、炭素(13C)、フッ素(19F)、重水素(2H)などの高分解能固体NMR(核磁気共鳴)分光が可能である。
このシステムではtriplet-DNPを行い高偏極化したサンプルそのものを、偏極状態を壊すことなく11.7[T]の超電導磁石内に移動させることができ、超高感度で高分解能固体NMR分光が可能である。
北川研究室ではこのシステムを用いて、高偏極化された核スピン系でエンタングルメントを利用した真の量子アルゴリズムの実装を目指している。
(M. Negoro)
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